当番世話人:狩野 真由美 (株式会社日本バイオリサ―チセンター) |
- 【ブタを用いた研究から開発へのアプローチ】
- 「第9回日本先進医工学ブタ研究会開催にあたって」
- この度、第9回日本先進医工学ブタ研究会の当番世話人を務めさせていただきます、株式会社日本バイオリサーチセンターの狩野真由美と申します。どうぞよろしくお願い致します。
- この会の当番世話人に決まったのは2016年にさかのぼります。当時本会長でおられた現本会名誉会長の山田和彦先生に背中を押され、この大役をお引き受けしました。当時、私は非臨床試験の受託業務を請け負うCRO所属という立場から本会に携わっておりましたが、国内におけるブタを用いた実験の数が右肩上がりとはいかない中、どうしたらブタの使用数が上がり、実験の数が増えていくのか、日々考えておりました。現在では、実験に携わる研究者の皆様が、改めてブタの有用性を認識し、メリット、デメリットを把握することがより多くのブタの利用につながるのだと再認識しております。
- 本会では、そのような強い想いがあり、「ブタを用いた研究から開発へのアプローチ」というテーマのもと、「外挿性」「トランスレーショナルリサーチ」をキーワードにして各方面の先生方にシンポジウムでのご発表をお願いしました。腎臓とリンの関係について長く研究を続けておられる自治医科大学、抗加齢医学研究部の黒尾誠先生には、ブタが可能にした研究成果について特別講演をお願いしております。また、医薬品、医療機器、再生医療等製品、臓器移植の各分野においてブタを用いてご研究をされている先生方に、特に開発へのブタ活用実例をお話しいただく予定です。ご参加される皆様にはより具体的なブタの利用方法を模索いただければ幸いです。その他にも一般演題やブース展示を予定しています。皆様、奮ってご参加ください。
- 昨年、公益財団法人実験動物中央研究所 堤秀樹先生の当番世話人の元、3年ぶりにオンサイトで日本先進医工学ブタ研究会が開催されました。コロナ禍にもかかわらず、多くの皆様がご参加され、久しぶりに懇談の場を持てました。やはり、この研究会は人的交流の場としての側面は欠かせません。今回、ご参加いただく皆様には、この2日間を有効にご活用いただき、活発に議論いただくとともに、多くの方と懇親されますことを希望致します。
- 今回、試験を受託するCROに属する私が当番世話人をさせていただく事は非常に名誉なことであるとともに身の引き締まる思いです。至らぬ点も多いかと思いますが、皆様と一緒に本研究会を盛り上げていければと思っております。この研究会はブタの医工学利用を後押しし、そのすそ野を広げていく場として最適な研究会であると思っております。本研究会を通じて、実験動物のブタがどのような分野でどのように使用されてきているのか広く知っていただくとともに、先生方の今後のご研究の一助となればうれしく存じます。
- 末筆となりますが、本研究会会長の大西彰先生、事務局の佐原寿史先生、会場設営と進行にご協力いただいく日本大学生物資源学部の皆様に厚く御礼申し上げます。
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